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万引き・窃盗で逮捕された場合にどうすべきか
窃盗罪は刑法235条に定められており、万引きも窃盗として処罰されます。本記事ではご自身や身内の方や万引き・窃盗で逮捕されてしまった場合の対処法について解説します。
1 窃盗について
窃盗とは、他人の占有物をその意思に反して自己の占有に移転する行為です。他人の自宅にある物はその家の人の占有が及んでいますから勝手に持っていけば窃盗になりますし、スーパーやコンビニの商品にも店の占有がありますから勝手に持ち出すと窃盗になります。
最近では万引きを繰り返さずにはいられない窃盗症(クリプトマニア)といった病気がニュースやワイドショーでも話題になったり、少年や高齢者による万引き増加が問題になったりしていますので、ご家族の誰かが窃盗で捕まったらと不安になられる方もいらっしゃいます。
本記事では、ご家族が窃盗で逮捕されてしまった場合の対処法について解説します。
2 窃盗罪で逮捕されてしまうと
窃盗罪で逮捕されると、勾留も併せて最大23日もの身柄拘束がされることもあり、その場合に受ける精神的負担、金銭的負担、社会的評価の失墜といった不利益は重大なものです。
3 強盗・恐喝罪で有罪になるとどうなるのか
窃盗罪の刑罰は10年以下の懲役または50万円以下の罰金です(刑法235条1項)。罰金刑が定められているため、有罪判決が出たとしても罰金であれば刑務所に入る必要はありません。適切に対応し、有罪であるとしても罰金刑に抑えることが重要です。特に少額の万引き等であれば、最初期から弁護士が対応することで前科を回避する立ち回りをすることも考えられます。窃盗罪で前科が付いたり実刑判決が下れば、その後の人生に与える影響は重大です。
4 窃盗罪で逮捕されたらまずすべきこと
ご自身又はご家族、知人の方が逮捕されてしまった場合、まずは弁護士にご連絡することをおすすめします。
刑事弁護は時間との勝負です。初回接見が数時間遅れるだけで違法な取調べや不用意な供述により不利な自白調書が作られてしまう可能性があります。また、初動が早ければ弁護士が示談交渉や資料収集を速やかに行い、逮捕に続く勾留を行わないように裁判官に訴えかけることもできます。これが遅れれば避けられたはずの勾留を受け、身柄拘束期間が10日も長引くことになりかねません。
逮捕後の取り調べは外部からの連絡を断ち切った状態で行われます。事件によっては毎日何時間も取調べがされることもあり、精神的に疲弊しきって不用意な自白をしてしまうことにもなりかねません。捜査機関はプロですから、事前に弁護士から的確な助言を受けずに取り調べに臨むのはとても危険です。
また、接見禁止決定がされると家族であっても逮捕された人との面会はできず、弁護士のみが唯一の連絡手段となります。
以上の点から、逮捕後はすぐに弁護士への連絡をおすすめします。
5 依頼を受けた弁護士の活動
(1) 逮捕後の接見
依頼人の方からご相談をうけると、弁護士はまず逮捕された方への接見に参ります。刑事事件の被疑者として逮捕されると、外界と遮断された状態で捜査機関からの連日・長期間の取調べをうけることになります。身体を拘束され、日常生活と異なる空間では、拘束状態自体が不安や心細さを感じます。さらに被疑者は、密室の取調室で捜査官による取調べを受けます。外部との連絡は制限され、捜査官の発言の真偽も確かめることはできません。
そこで弁護士としてはいち早く接見を行い、弁護士は法律上の被疑者・被告人の権利を説明します。また、お話を伺ったうえで、取調べにおける諸注意を行ったり、弁護活動の方針を立てたりするなどの手助けをいたします。
(2) 早期釈放に向けた活動
逮捕・勾留後であっても準抗告という手続きにより身柄拘束が解かれる可能性があります。依頼を受けた弁護士は準抗告の手続のための証拠収集、検察官や被害者との交渉といった事務手続きをすぐに行い、一刻も早い釈放に向けた活動を致します。少額の窃盗や初犯の万引き等であれば弁護士の適切な対応により身柄拘束期間を大幅に短縮できる可能性があります。
起訴後であれば、保釈に向けた活動も行います。
(3) 不起訴に向けた活動
次に弁護士は依頼人のお話をもとに証拠収集や被害者の方との示談交渉を行います。刑法犯で逮捕後に起訴、すなわち裁判がなされるケースは6割程度で残りの4割は裁判をされない不起訴となります。不起訴であれば前科はつきません。起訴不起訴の判断は有罪にできる証拠の存否や犯罪の重大性、被害者の意思を考慮してなされます。特に窃盗罪の場合、初犯であったり被害額が少額であったり、被害者の方と示談が成立していたりする場合には十分に不起訴を狙うことができます。このため、起訴の前にどれだけ証拠収集をして、また、被害者と示談を成立させることが自由の身になることにつながります。
弁護士は依頼を受けた後、不起訴を目標に被害者と被害弁済等の話し合い、検察官との交渉を重ねます。
(4) 起訴後の活動
起訴されてしまった場合、できる限り執行猶予及び刑期の短縮に向けた活動をします。被害弁償をしていたり、被害者との示談が成立していたり身元引受人がいたりする場合、執行猶予や刑期短縮の可能性は高まります。
他方で初犯だから、たかが万引きだからなどと真摯な対応や反省の態度を怠れば刑務所に入ることにもなりかねません。
弁護士としては被害者の方やご家族の方と粘り強く交渉し、示談成立や身元引受の約束のために尽力いたします。