ご家族が逮捕されてしまったら、どうなっているか心配です。ご本人を安心させるためにも、できるだけ早めに警察署へ面会に行きましょう。
警察署の留置場では衣類や物が不足するので、差し入れも必要です。
今回はご家族が警察の留置場で面会や差し入れを行う方法、弁護士が接見を行う必要性について解説します。
名古屋でご家族が逮捕された方はぜひとも参考にしてください。
このページの目次
1.家族が面会できるのは勾留に切り替わってから
ご家族が逮捕されたと聞いたら、通常はすぐにでも面会して状況を確かめたいと思うでしょう。しかし逮捕後すぐの面会は困難です。警察では「勾留前の一般接見」を認めていないのが通常だからです。なお接見とは面会のことです。
逮捕後勾留に切り替わるまでは最大3日かかります。この間はたとえ家族であっても面会が認められません。逮捕後勾留までの期間に接見が認められるのは弁護士だけです。
2.家族が面会する方法と注意点
ご家族がご本人と接見する際には、以下のような点に注意が必要です。
2-1.面会の時間
まず面会できる時間を確認する必要があります。通常は平日の午前8時半から午後5字15分頃となっています。警察署に確認してから面会に行きましょう。
2-2.面会の制限
ご家族が被疑者と面会する際にはいろいろな制限があります。まず1回の面会時間が制限され、10~20分程度しか認められません。
また1回に面会できる人数は3人までとされるケースが多数です。
さらに一般面会の場合には捜査官の立会もあるので、自由に何でも話せる状態にはなりません。時間も短いので「元気か」などと言い合うだけで終わってしまうケースもよくあります。
2-3.断られるケースもある
逮捕後勾留に切り替わり、平日の日中に警察に行っても必ず面会できるわけではありません。取り調べや現場への立会を理由に断られるケースもありますし、次に説明するように「接見禁止処分」がついていたら一切の面会が認められません。
2-4.面会の手順
ご家族が被疑者に面会したいときには、まず留置されている警察署に電話をして「本日面会可能か」確認しましょう。
可能であれば、何時頃に行くかを伝えます。
差し入れたい物があれば一緒に持っていき、印鑑も持参しましょう。
到着したら接見用の用紙(差し入れがあれば差し入れ用の用紙)に記入して提出すれば、面会をさせてもらえます。
面会はアクリル板を通したものとなり直接触れあったりはできません。先にも説明しましたが捜査官立会で10~20分程度となります。
3.接見禁止について
事件によっては「接見禁止処分」がつくことがあります。接見禁止処分とは「弁護人以外のものと一切面会を認めない」処分です。
接見禁止処分をつけられたら、勾留に切り替わっても家族は面会できませんし、手紙のやり取りも認められないのが通常です。
接見禁止処分の主な目的は「証拠隠滅の防止」や「共犯者との共謀」です。共犯者のいる事件や重大事件などの場合に接見禁止処分をつけられやすくなっています。
もしもご家族に接見禁止処分をつけられたなら、早急に弁護士に相談して接見を依頼してください。弁護士が状況を確かめて状況をお伝えし、必要な対処を進めていきます。
4.差し入れの方法
ご家族が逮捕されたら「差し入れ」をしましょう。
差し入れとは、身柄拘束を受けている被疑者や被告人に必要な物を受け渡す手続きです。
現金や衣類、本などを差し入れることができます。
留置施設内では意外と物が不足するので、家族が逮捕されたら必要なものを聞いて持参または送付しましょう。
希望が多いのは以下のようなものです。
- 現金
留置施設内では意外と現金が必要なので、数万円差し入れてあげると良いでしょう。
- 下着
下着が足りないと不便な生活を強いられるので、足りないなら入れてあげましょう。
- 上着
冬に逮捕されたケースでは留置施設内が寒い場合があります。
- 夏ならTシャツなどの薄い服
夏場に逮捕されると、薄着の衣類が必要になるケースがあります。
- 本や雑誌
留置施設内ではパソコンもテレビもスマホも使えません。本や雑誌、マンガなどを希望される方が多数です。
留置施設内には何でも差し入れできるわけではありません。たとえば「食品」「ひものついた服」「ジッパーつきの衣類」「シャンプーやリンス」「歯磨き粉」などは差し入れできない施設が多くなっています。
事前に警察に聞いて何が認められるのかを確認してから持っていくと良いでしょう。
5.弁護士が接見(面会)する必要性
ご家族が逮捕されたら、すぐに弁護士に接見(ご本人との面会)を要請して下さい。
5-1.勾留前の2~3日にも面会可能
ご家族は逮捕後勾留前の2~3日間、被疑者と面会できません。この間に不利な調書を取られてしまうおそれもあります。弁護士なら逮捕直後から面会できてご本人を安心させられますし、適切な対処方法をお伝えして権利を守ることも可能です。
5-2.制限なしに面会可能
ご家族が面会するときには捜査官の立会がありますし、時間も10~20分程度に制限され、平日の日中しか面会できません。
弁護士接見の場合、これらの制限は一切ありません。土日祝日も接見可能ですし時間も無制限で捜査官の立会もなく自由に話ができます。
事件の詳細を確認して今後の対策方法も検討できますし、ご家族への伝言をうかがったりご家族からの言葉を伝えたりもできます。
5-3.接見禁止がついていても面会可能
接見禁止処分をつけられたら、勾留に切り替わってもご家族は接見できません。そのまま最低でも10日間、長いと20日が経って検察官が処分決定するまで一切状況を確認できなくなります。中には起訴後も接見禁止処分がとれないケースもあります。
弁護士なら接見禁止処分がついても自由に面会できます。逮捕直後からご本人を励まし弁護活動を進めることで、早期釈放にもつながります。
接見禁止処分をつけられている場合、一般のケース以上に早期に弁護士に接見依頼する必要性が高くなります。
名古屋でご家族が逮捕され、面会や差し入れをご希望の方がおられましたらお早めにご相談下さい。