事件別-強制性交

強制性交とは?強制性交罪で逮捕されてしまった場合の対処法

第1 強制性交罪について

強制性交罪は、刑法177条に定められる犯罪です。

刑法第177条

十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

すなわち、暴行または脅迫を用いて被害者の意思に反して性交等をした場合、または同意があったとしても被害者が13歳未満の場合に強制性交罪が成立します。強姦罪と比較すると口腔性交を含む、男女いずれにも成立し得る点で処罰範囲が拡大しています。

処罰は5年以上の懲役とされています。未遂にとどまるなどの刑の減軽がなければ執行猶予がつかないため、初犯であっても刑務所に入らなければならない可能性が高いといえます。

 

第2 強制性交罪で逮捕されるとどうなるのか

強制性交罪で逮捕された場合、他の犯罪でもそうですが、身柄拘束中に取調べが行われます。

検察庁統計によれば強制性交罪の起訴率は約4割ですが、有罪となった場合執行猶予のない実刑判決がほとんどです。適切な対応をすれば無罪となる余地があるといえます。

一方、不用意な自白をすれば刑務所に行かなければならない可能性が高いと言えるでしょう。そこで、できる限り取調べの前に弁護士と接見をし、弁護活動に向けた作戦を立てるべきといえます。

初回の接見が数時間遅れるだけで違法な取調べや不用意な供述により不利な自白調書が作られてしまう可能性もあるのです。取り調べは外部からの連絡を断ち切った状態で行われます。なかなか自白をしない場合には連日何時間も取調べがされることもありますので、精神的に疲弊しきって不用意な自白をしてしまうことにもなりかねません。捜査機関はプロですから、事前に弁護士から的確な助言を受けずに取調べに臨むのはとても危険です。

以上の点から、逮捕された場合、まずは弁護士に相談するのがベストな対処法と言えるでしょう。なお、ご自身が逮捕された後でも、警察に弁護士を呼ぶように要求することができます。

 

第3 依頼を受けた弁護士の活動

1 逮捕後の接見

逮捕者のご家族の方から相談をうけると、弁護士はまず逮捕された方への接見に参ります。弁護士としてはいち早く接見を行い、弁護士は法律上の被疑者・被告人の権利を説明します。また、お話を伺ったうえで、取調べにおける諸注意を行ったり、今後の弁護活動の方針を立てたりするなどのお手伝いをし、不要な自白をしないための心構えを授けます。

 

 2 早期釈放に向けた活動

逮捕・勾留後であっても準抗告という手続きにより身柄拘束が解かれる可能性があります。依頼を受けた弁護士は準抗告の手続のための証拠収集、検察官や被害者との交渉といった事務手続きをすぐに行い、一刻も早い釈放に向けた活動を致します。起訴後であれば、保釈に向けた活動も行います。

 

 3 不起訴に向けた活動

逮捕後に必ず裁判がされるわけではなく、逮捕されたとしても起訴されるとはかぎりません。上記の通り、不起訴になる可能性が十分にあります。起訴不起訴の判断は有罪にできる証拠の存否や犯罪の重大性、被害者の意思を考慮してなされます。このため、起訴の前に被害者との示談交渉が成立させられるか、どれだけ証拠収集をするかが重要です。弁護士は依頼を受けた後証拠収集に努め、被害者や検察官との交渉を重ねます。

 

4 起訴後の活動

起訴されてしまった場合、できる限り執行猶予及び刑期の短縮に向けた活動をします。被害者との示談が成立していたり身元引受人がいたりする場合、執行猶予や刑期短縮の可能性は高まります。

 

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