事件別-公然わいせつ

公然わいせつ罪とは?量刑は?公然わいせつで逮捕されてしまった場合の対処法

第1 公然わいせつとは

公然わいせつとは、公然とわいせつな行為をした場合に成立する罪です(刑法174条)。どのような行為が公然わいせつ罪におけるわいせつな行為かは社会通念に従い判断するものとされており、判断基準が不明確です。基本的には性器等が露出している場合にはわいせつな行為に当たりますが、駅で女性が衣服を脱ぎ、上下の下着のみになった事例でも公然わいせつで逮捕がされています。

なお、不特定又は多数人が認識できるような公共の場でわいせつな行為をすれば公然わいせつは成立するため、人目につかないように行ったからといって罪に問われないわけではありません。

 

第2 公然わいせつ罪の刑罰

公然わいせつ罪の処罰は、6ヵ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金、又は勾留若しくは科料となっています。科料とは、1万円未満の金銭を支払う刑罰です。強制わいせつ等に比べれば軽い刑罰ですが前科は付いてしまいます。

 

第3 公然わいせつ罪で逮捕されるとどうなるのか

公然わいせつ罪で逮捕された場合、他の犯罪でもそうですが、身柄拘束中に取調べが行われます。

検察庁統計によれば公然わいせつ罪の起訴率は6割程度であり、適切な対応をすれば不起訴となる余地が十分にあるといえます。また、初犯であれば略式手続による罰金刑や執行猶予付きの判決が出ることが多く、罪を認めるとしても適切な対応をすることで社会的生活に影響をほとんど残さないで済むことができるかもしれません。

他方で、取り調べで不適切な対応をすると身柄拘束期間が長引いたり、刑務所に行かなければならなくなったりする可能性が高まります。そこで、できる限り取調べの前に弁護士と接見をし、弁護活動に向けた作戦を立てるべきといえます。

初回の接見が数時間遅れるだけで違法な取調べや不用意な供述により不利な自白調書が作られてしまう可能性もあるのです。取り調べは外部からの連絡を断ち切った状態で行われます。なかなか自白をしない場合には連日何時間も取調べがされることもありますので、精神的に疲弊しきって不用意な自白をしてしまうことにもなりかねません。捜査機関はプロですから、事前に弁護士から的確な助言を受けずに取調べに臨むのはとても危です。

以上の点から、逮捕された場合、まずは弁護士に相談するのがベストな対処法と言えるでしょう。なお、ご自身が逮捕された後でも、警察に弁護士を呼ぶように要求することができます。

 

第4 依頼を受けた弁護士の活動

1 逮捕後の接見

逮捕者のご家族の方から相談をうけると、弁護士はまず逮捕された方への接見に参ります。弁護士としてはいち早く接見を行い、弁護士は法律上の被疑者・被告人の権利を説明します。また、お話を伺ったうえで、取調べにおける諸注意を行ったり、今後の弁護活動の方針を立てたりするなどのお手伝いをし、不要な自白をしないための心構えを授けます。

 

 2 早期釈放に向けた活動

逮捕・勾留後であっても準抗告という手続きにより身柄拘束が解かれる可能性があります。依頼を受けた弁護士は準抗告の手続のための証拠収集、検察官や被害者との交渉といった事務手続きをすぐに行い、一刻も早い釈放に向けた活動を致します。起訴後であれば、保釈に向けた活動も行います。

 

 3 不起訴に向けた活動

逮捕後に必ず裁判がされるわけではなく、逮捕されたとしても起訴されるとはかぎりません。上記の通り、不起訴になる可能性が十分にあります。起訴不起訴の判断は有罪にできる証拠の存否や犯罪の重大性、被害者の意思を考慮してなされます。公然わいせつ罪は特定の被害者がいないことが多いですが、精神的ショックを受けた被害者がいる場合、起訴の前に被害者との示談交渉が成立させられるか、どれだけ証拠収集をするかは重要になります。弁護士は依頼を受けた後証拠収集に努め、被害者や検察官との交渉を重ねます。

 

4 起訴後の活動

起訴されてしまった場合、できる限り執行猶予及び刑期の短縮に向けた活動をします。被害者との示談が成立していたり身元引受人がいたりする場合、執行猶予や刑期短縮の可能性は高まります。

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