刑事裁判の判決が重すぎる!不服がある場合の控訴について

  • 刑事裁判の判決で執行猶予がつかなかった。どうしても刑務所に行きたくないので控訴したい
  • 無実の罪なのに有罪判決になって納得できない。不服申し立てしたい
  • 控訴するとき、1審と異なる弁護人に変更できるのか?

痴漢や援助交際、詐欺や窃盗、薬物犯罪などの犯罪行為をしたら「刑事裁判」になる可能性があります。裁判になるといずれ判決が下されますが、判決内容に納得できないケースも少なくありません。

そのようなときには「控訴」することにより、判決内容を変更できる可能性があります。

今回は刑事裁判の判決内容に納得できない場合の「控訴」やその場合の刑事弁護人の選任方法について、解説します。

 

1.刑事事件の控訴とは

刑事事件で1審判決に不服がある場合には「控訴」という手続きによって争うことが可能です。

控訴とは1審判決に納得できないときに上級の裁判所へその取消や変更の申立をすることです。1審が地方裁判所の場合には高等裁判所へ、1審が簡易裁判所の場合には地方裁判所へ控訴します。

控訴できるのは被告人と検察官です。1審判決の刑罰が重すぎる場合や、本当はやっていないのに有罪判決が出て納得できない場合などに被告人の方から控訴すると、高等裁判所等で判決内容を変更してもらえる可能性があります。

 

2.控訴理由

控訴するときには「控訴理由」が必要です。理由がなければ控訴をしても棄却されるだけで意味がありません。

法律上、控訴理由として認められているのは以下の4つです。

 

2-1.訴訟手続の法令違反

訴訟の手続きに法律や裁判所で定められた規則違反がある場合です。法令違反があると判決は無効になります。

 

2-2.事実誤認

証拠から本来認定されるべき事実とは異なる事実を認定しまい、誤った判決が下されている場合です。

 

2-3.法令適用の誤り

事実の認定に誤りはなくとも、誤った法令を適用して間違った判決が下されている場合です。

 

2-4.量刑不当

事実の認定や適用されている法令に誤りはなくとも、適用された刑罰が合理的な範囲を超えて重すぎる、あるいは軽すぎる場合です。

控訴で判決を変更してもらうには、上記の4つのうち少なくとも1つ以上の要件にあてはまっている必要があります。「控訴趣意書」という書類に具体的な控訴理由を詳細に書いて、高等裁判所を納得させなければ判決を変更してもらえません。

控訴によって1審判決の取消・変更をさせるには法律知識が必要なので刑事事件に長けた弁護人の選任が必須となるでしょう。

 

3.控訴できる期間

控訴には期間制限がもうけられているので注意が必要です。1審の判決日の翌日から数えて「14日以内」に「控訴申立書」を1審の裁判所宛に提出しなければなりません。1審が地方裁判所の場合、控訴申立書の宛先は高等裁判所ですが提出先は地方裁判所となります。

 

4.控訴審における3種類の判決

控訴審で出る可能性がある判決は、以下の3種類です。

 

4-1.控訴審自身が判断をする破棄自判

1審の内容に問題があり、控訴審が1審判決を取り消して自ら判断を下し別の判決を言い渡すケースです。

 

4-2.やり直しを命じる破棄差戻し

1審の内容に問題があり、控訴審が1審判決を取り消しますが、自ら判断をせずに1審に戻して再度の判断を求めるケースです。差し戻しを受けた1審の裁判所は控訴審の判断内容に制約されるので、当初と同じ判決を下すことはありません。

 

4-3.控訴理由がなければ棄却

被告人や検察官が申し立てた控訴理由が認められない場合、控訴棄却されます。この場合、1審判決は変更されません。

 

4.控訴審で審理されるのは「1審の判決内容」

刑事事件で控訴するときには、控訴審の「性質」を理解しておく必要があります。控訴審は1審と異なり、始めからの事実認定をしません。

裁判のやり直しではなく「1審の判決が正しいかどうか」のみを審理・判断します。

控訴審で判断を変更させたい場合には、「事実がどうだった」などの主張のやり直しだけではなく法律的な観点も含めて1審判決が間違っていることを指摘する必要があります。

そのため控訴審では1審以上に専門の法律知識が要求されるといえるでしょう。

 

5.控訴の流れ

刑事事件の控訴審の流れは以下の通りです。

 

5-1.控訴の申立て

被告人または検察官が控訴を申し立てます。期限は判決言い渡しの翌日から14日以内です。申立ての際には「控訴申立書」を提出すればよく、詳細な理由の記載は不要です。

控訴の流れ

5-2.控訴趣意書の提出

高等裁判所から控訴趣意書の提出期限を告知されるので、その期間内に詳細な控訴理由を書いた控訴趣意書を作成・提出する必要があります。

控訴の流れ

5-3.控訴審の審理

控訴審の審理が行われます。被告人が出廷する必要はありません。審理は1回で終わるケースが多数です。

控訴の流れ

5-4.控訴審判決の言い渡し

審理が終わったら判決が言い渡されます。

控訴審の申立から判決言い渡しまでの期間は、だいたい4か月~6か月程度です。

 

6.不利益変更禁止の原則とは

1審判決に不服があっても「控訴したらもっと罪が重くなるのではないか?」と心配になる方がいるかもしれません。しかし刑事裁判では基本的にそういった心配は不要です。

被告人のみが控訴した場合、控訴審が1審判決より重い判決を下すことはできないからです。これを「不利益変更禁止の原則」と言います。

ただし検察官が控訴した場合には罪が重くなる可能性があります。

 

7.控訴審で弁護人を変更できる

1審で国選弁護人などに依頼して、満足な弁護活動をしてもらえなかった方もおられるでしょう。

控訴審では1審とは別に刑事弁護人を選任するので、1審と異なる弁護士に弁護を依頼できます。刑事事件の控訴審では専門的な知識とノウハウを要求されるので、刑事事件に積極的に取り組んでいる弁護士を選任しましょう。

当事務所では、痴漢、盗撮、援助交際、薬物犯罪などのさまざまなケースでの解決実績があり、控訴審にも対応してきました。

名古屋で刑事事件となり1審の結果に不服がある方、頼りになる刑事弁護人をお探しの方は、お早めに名古屋ヒラソル法律事務所までご相談下さい。

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