事件別-無免許運転・スピード違反

無免許運転やスピード違反で前科は付く?逮捕される可能性はあるのか

第1 無免許運転・スピード違反で前科が付いてしまう場合

無免許運転は道路交通法第117条の2の2に反し、犯罪になります。刑罰は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

また、スピード違反も道交法22条1項違反であり、刑罰は6カ月以下の懲役又は10万円以下の罰金です。

ただし、スピード違反については道交法上前科を免れるための制度があり、一般道で時速30キロメートル未満、高速道路で時速40キロメートル未満の超過であれば反則金を支払うことによって前科を免れることができます。通常、一時停止違反や信号無視で支払わされるのはこの反則金で、刑法上の「罰金」とは異なります。

 

第2 無免許運転・スピード超過をしてしまった場合の刑事罰

無免許運転や一定速度以上のスピード超過は前科になってしまいますが、事故を伴わないような場合、略式手続による罰金刑で済むことがほとんどです。

略式手続とは、事案が簡単で刑罰も軽い事件について、簡易な手続で裁判を行う手続きです。迅速に行われ、被告人は出廷する必要もありません。前科が付いたり罰金を払ったりといったデメリットはありますが、職場やご家族には秘密のままでいられるでしょう。 

 

第3 無免許運転・スピード違反で逮捕される場合

問題なのが重大な事故を発生させてしまった場合です。事故を起こしたときに無免許運転やスピード違反であったことが判明すれば、多くの場合逮捕されてしまうでしょう。

特に人身事故の場合、無免許運転等に加えて過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪が成立し、長期間の逮捕・勾留がされる可能性があります。

 

第4 無免許運転・スピード違反で逮捕されてしまった場合の対処法

逮捕されてしまった場合、警察で身柄拘束が行われ身柄拘束中に取調べが行われます。このとき、被害者が軽傷であったり示談が成立したりしていれば、起訴猶予になったり執行猶予付きの判決を得たりしやすいです。執行猶予つきの判決であれば、執行猶予期間を無事に過ごせば前科も取り消されるため、適切な対応をすることで社会的生活に影響をほとんど残さないで済むことができるかもしれません。他方で、取り調べで不適切な対応をすれば執行猶予が付かず刑務所に行く可能性が高まります。そこで、できる限り取調べの前に弁護士と接見をし、弁護活動に向けた作戦を立てるべきといえます。

なお、ご自身が逮捕された後でも、警察に弁護士を呼ぶように要求することができます。

 

第5 依頼を受けた弁護士の活動

1 逮捕後の接見

逮捕者のご家族の方から相談をうけると、弁護士はまず逮捕された方への接見に参ります。弁護士としてはいち早く接見を行い、弁護士は法律上の被疑者・被告人の権利を説明します。また、お話を伺ったうえで、取調べにおける諸注意を行ったり、今後の弁護活動の方針を立てたりするなどのお手伝いをし、不要な自白をしないための心構えを授けます。

 

 2 早期釈放に向けた活動

逮捕・勾留後であっても準抗告という手続きにより身柄拘束が解かれる可能性があります。依頼を受けた弁護士は準抗告の手続のための証拠収集、検察官や被害者との交渉といった事務手続きをすぐに行い、一刻も早い釈放に向けた活動を致します。起訴後であれば、保釈に向けた活動も行います。

 

 3 執行猶予の獲得に向けた活動

上述の通り、執行猶予の獲得に向けては被害者の方との示談や処罰意思が重要です。また、裁判例ではご家族や雇用主が出所後の支援を約束していること、前科前歴がないこと等の事実を重視して執行猶予の有無や刑期の長短を決定しています。 

そこで弁護士としては被害者の方と示談交渉を行ったり損害賠償の手続を行ったりするほか、ご家族や勤務先の方と交渉して監督・支援をお願いしたりするなど執行猶予付き判決獲得に向けた活動を致します。

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